とあるワセ女

どうも、未だに健康診断が近づくと身長伸びてないかと期待する早大生です。

ところで皆様、ワセ女なるものを知っておいでですか?字義としては、早稲田大学の女子大生な訳ですが、その生態は千差万別。

実に個性的な面々がいらっしゃいますが、今日は僕が出会った怖いワセ女の話をさせてください。

それはむかしむかしの健康診断のことでした。あるところに、検尿に二度引っかかった僕がおりました。

その日、三度目の正直と臨んだ検尿で、早稲田保健センターなるところにおりました。廊下で順番待ちをしていると、僕のお隣に麗しいワセ女がお座りになりました。

そのワセ女はとても急いでいるらしく、ヒールをカツカツと鳴らして苛立ちを募らせておりました。

しかしながら、保健センターのおばちゃんは僕の一つ前の男子学生と楽しくおしゃべりしておりまして、その話が例のごとく長いことこの上なし。

おばちゃんの高らかな笑い声の聞こえるたびにワセ女は、チィッ早くしろよババァ、と小声で漏らすのです。

もう僕恐ろしくて、順番来たら絶対先に譲ろうと心に決めてました。

男子学生とおばちゃんの長話が終わり、さあ僕の名前が呼ばれた時に、いざ勇気を振り絞って言ったのです。

お先どうぞ、と。蚊の鳴くような声でした。

すると、今まで鬼の形相だったワセ女のお顔が、映画の場面転換並みにパッと切り替わり、完全営業モードに。

どうもありがとう、とワセ女は天性の営業スマイルでおっしゃいました。

その時僕は思いました、とてもシンプルに。ワセ女こぇー…と。

そして、その日から僕はワセ女不信になりましたとさ。めでたしめでたし。